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コンバージョンAPI(CAPI)とは?Cookieとの比較を交えて解説
皆さんはコンバージョンAPI(CAPI)というものを知っていますか?
コンバージョンAPI(CAPI)とは、Cookieを使用せずに広告主のサーバーから直接Webサイト上のイベントやコンバージョンを計測する技術です。コンバージョンAPI(CAPI)を使用することで、リアルタイムで広告の効果を観測したり、広告キャンペーンの精度の高い計測を行うことができたりします。
この記事では、コンバージョンAPIの仕組みやメリットについて詳しく解説します。
- 目次
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CookieとコンバージョンAPI(CAPI)の違い
Cookieとは?
Cookieとは、Webサイトにアクセスした際の情報を、ユーザーのブラウザ内に保存する仕組みです。Cookieにはアクセスの日時や回数、ユーザが入力した情報が記録されています。
Cookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があります。
ファーストパーティCookieとは、広告主のWebサイトから発行されるCookieです。発行元のWebサイトにおいて有効で、訪問ユーザーを識別するために利用されます。基本的に発行元以外のWebサイトでは効力がありません。
サードパーティCookieとは、広告主のWebサイト以外から発行されるCookieで、主に広告などによって発行されるものです。広告やマーケティング施策の効果測定や分析、新たな広告配信などに活用できます。
サードパーティーCookie規制の動向
従来では、Cookieを用いることで広告効果の計測やマーケティング施策に応用することが一般的でした。しかし、最近ではパーソナライズ広告に対する世間の批判が集まり、Webサイト利用者のプライバシー保護を行う動きが増えています。
実際に、2020年にApple社がSafariにおいてサードパーティーCookieを完全に廃止しました。また、2020年にGoogleでもサードパーティーCookieを廃止する計画を開始しました。2025年時点でこちらの計画は撤回されたものの、プライバシー保護の方針は継続していくとの発表があります。
プライバシー保護の風潮が広がっていることから、今後もCookieに対する規制は強まっていくと予測されます。Cookieに頼らない新たな計測の手法が必要になっていくでしょう。
出典:
Investigation into Google’s ‘Privacy Sandbox’ browser changes – GOV.UK
Googleが発表したサードパーティCookie廃止撤回の影響と今後の展望
CookieとコンバージョンAPI(CAPI)の比較
Cookieの代わりに注目されている技術がコンバージョンAPI(CAPI)です。どちらもユーザのWebサイトでの行動を計測するものですが、この節ではCookieとコンバージョンAPI(CAPI)を比較していきます。
Cookieを利用する場合、ユーザーが広告主のサイトを閲覧すると、Webブラウザで広告主のサイトにCookieの発行を要求し、ユーザーがこれに同意するとCookieが発行されます。そして、Cookieのデータを広告媒体のサーバーへ送信することで、コンバージョンが計測されます。しかし、SafariやGoogleといったブラウザ側のCookie規制により、Cookieの発行やデータ送信が制限されて正確なデータ計測ができなくなることがあります。
一方、コンバージョンAPI(CAPI)では、広告主のサーバーから各広告媒体のサーバーへ直接イベントデータを送信します。そして送信されたイベントデータを各広告媒体の広告サーバーに登録済みのユーザー情報と照合させて、計測データを処理します。こうすることでブラウザ側のCookie規制を受けずに、直接コンバージョンを計測することができます。
コンバージョンAPI(CAPI)の仕組み
コンバージョンAPI(CAPI)を用いたコンバージョンの計測は以下のような仕組みです。
このように、広告主のサーバーに直接イベントを送信し、各広告媒体に送信することでリアルタイムに規制を受けない形でユーザーのイベントデータを送信することができます。
コンバージョンAPI(CAPI)のメリット
Cookieに依存しない計測ができる
コンバージョンAPI(CAPI)では、Cookieを使用せずにコンバージョン計測を行うことができます。これにより、各種WebブラウザのCookie規制の影響を受けることなく、コンバージョン計測ができるのです。
計測データの精度が向上する
従来のCookieを用いたコンバージョン計測では、Webブラウザ側の規制やユーザー側からのCookie使用拒否、Cookieで取得できるデータの種類が少ないことによって一部データの送信ができずに、データが欠損、不足してしまうことがありました。
コンバージョンAPI(CAPI)では、広告主のサーバーから直接イベントデータを送信するため、データの欠損や不足が少なくなる他、サーバー側の設定を行うことでイベントデータの取捨選択やデータを送る順序を決めることができ、より自由に計測データを取得することができます。
これにより、精度の高い計測が可能となり、各種施策、キャンペーンの費用対効果を正確に測ることができます。
よりセキュアにデータ管理ができる
広告主のサーバーを介して通信をおこなうため、Cookieを使用するよりも安全な方法でデータを転送できます。よりユーザーのプライバシーに配慮してユーザの行動データを計測、管理することができます。
データの反映が早くなる
コンバージョンAPIでは、広告主のサーバーと各広告媒体のサーバーが直接通信をするため、データ連携の速度もアップします。
これにより、リアルタイムでのデータ確認が可能となり、各種施策やキャンペーンの効果を即座に検証できます。また、リアルタイムなデータ連携によって、費用対効果の低い施策を修正し、新たな施策、キャンペーンに切り替えるといったことができるようになります。
コンバージョンAPI(CAPI)のデメリット
高度な計測のために適切な設定が必要
コンバージョンAPIを用いて高度な計測を行うためには、Webサイトでのユーザーの行動を記録するためのタグの設定、広告主のサーバーでのイベントデータ送信の条件設定やURL設定、各広告媒体の設定を行う必要があります。これらの設定を一つ一つ適切に行わないと、広告主の意図したコンバージョンの計測を実現することができません。
また、広告主のサーバーにおける費用がかかるため、料金を考慮して最適な設定を選ばなければ毎月高額な利用料が請求されてしまいます。
専門性が高いため導入の難易度が高い
コンバージョンAPI(CAPI)を利用するためには、3. コンバージョンAPI(CAPI)の仕組みで紹介した環境を構築する必要があります。環境の構築にはサーバーやクラウド、コンバージョンAPI、各広告媒体との連携方法、プログラミングなど様々な専門知識が必要となる場合が多いです。環境構築を行うにはシステムエンジニアの力がほぼ必要となるでしょう。
料金がかかる
Cookieと違いコンバージョンAPI(CAPI)を用いるためには、広告主がサーバーを立てる必要があるため、その分の初期費用や毎月の利用費が発生します。オンプレミス、またはクラウドで実現する場合でも、各費用の比較を行い、最適な構成の選定とデータ通信に関する設定を行う必要があるといえます。
まとめ
コンバージョンAPI(CAPI)について、従来用いられてきたCookieと比較しながら仕組みやメリット、デメリットについて解説しました。これからさらにCookieが使えなくなるかもしれない中で、コンバージョンAPI(CAPI)は必要な技術になっていくことでしょう。
ぜひとも理解を深めていただき、現在の社内Webサイトに導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
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